これから行政書士試験の学習を始める皆さんへ(3)

『知識の抽象化』

今回は、

『知識の抽象化』です。 

知識の抽象化? 

おそらく、この言葉を初めて聞く方も多いかと思いますので、少し長くなりますが、順を追って説明していきます。 

まず、試験には、大きく2つの種類の試験があります。 

ひとつは、中学・高校時代の中間・期末試験のような記憶力を試す試験で、もうひとつが、中学・高校時代の実力試験や模試のような基本的な知識があることを前提に思考力を試す試験です。 

中学・高校時代の中間・期末試験のように、  

教科書や問題集などから全く同じ問題が出題される記憶力テストであれば、教科書や問題集を何回も繰り返しやるのが、高得点を取るための効果的な勉強法だと思います。  

中間・期末試験=記憶力テスト  

しかし、最近の行政書士試験は、過去問や問題集の問題と全く同じ問題は、ほぼ出題されませんし、何よりも、過去問のストックが少なく、出題範囲を網羅できないため、「ただ」過去問や肢別本の問題を何回も繰り返しても、なかなか合格することができない試験になっています。 

昨年は、過去問(肢別本)を5回やってダメだったから、今年は10回やろう!  

こういう、単純に回数をこなす勉強にハマってしまうと、いつしか回数をこなすこと自体が「目的」と化してしまい、まさに本末転倒な結果となってしまいます。  

手段の目的化☆  

そして、毎年毎年同じような、「ただ」何回も繰り返す勉強を繰り返してしまうので、受験勉強の期間も、自ずと長期化してしまいます。 

再受験生向けの講座を長年やっていると、こういう悩みをお持ちの方が、本当に多いことを、肌で実感します。  

合格者曰く、過去問や肢別本の問題を何回も解いていると、だんだんと解けるようになってくるので、何となく勉強をしている気分にはなるそうです。 

しかし、「ただ」問題を解いて解説を読んで記憶するだけの勉強では、全く同じ問題は出題されない行政書士試験では全く対応できないため、多くの方は途方に暮れてしまうようです。 

「(何回か解いたことのある)過去問は解けるけれど、模試や本試験など、初めてみる問題には全く歯が立たなかった」という、多くの受験生の皆さんの声が、このことをよく物語っています。  

したがって、行政書士試験の勉強は、  

中学・高校時代の中間・期末試験(記憶力テスト)に対応するような勉強ではなく、何が出題されるかわからない実力試験(応用力テスト)に対応するような勉強が必要になってくるはずです。  

大学受験の英語を高校3年生・浪人生に教えていたときも、中間・期末試験(記憶力テスト)では、ある程度点数が取れるけれど、実力試験(応用力テスト)になると、全く点数が取れないという相談をよく受けたこととも関連するのではないかと思います。  

では、実力試験型の試験(応用力テスト)に対応するためにはどうすればいいのでしょうか?  

答練・模試・予想問題・他資格試験の過去問など、とにかく問題をもっと沢山解いていけばいいのでしょうか?  

おそらく、こういう「発想」に陥ってしまうと、では何問解けばいいのですか?という「発想」になってしまい、エンドレスな勉強になってしまいます。  

いわゆる、葉っぱの知識を無限に横へ広げていく勉強です。  

特に、時間のない社会人の方には、こういう勉強をやろうとしても、時間的に不可能なのが現実なのではないかと思います。  

合格スタンダード講座では、こういう「発想」は取らずに、過去問「分析」によって、知識の抽象化を図り、時間のない社会人の方でも、短期間で合格できる戦略を取っていきます。 

この知識の「抽象化」の重要性ついては、 

著書「地頭力」で有名なビジネスコンサルタントである細谷功氏は、その著書「具体と抽象」の中で次のように書かれています。 

『抽象化の最大のメリットとは何でしょうか? 

それは、複数のものを共通の特徴を以てグルーピングして「同じ」と見なすことで、一つの事象における学びを他の場面でも適用することが可能になることです。つまり「一を聞いて十を知る」です。 

抽象化とは複数の事象の間に法則を見つける「パターン認識」の能力ともいえます。身の回りのものにパターンを見つけ、それに名前をつけ、法則として複数場面に活用する。これが抽象化による人間の知能のすごさといってよいでしょう。 

具体レベルの個別事象を、一つ一つバラバラに見ていては無限の時間がかかるばかりか、一切の応用が利きません』 

また、代ゼミの英語の第一人者でもある富田先生も、そのご著書の中で次のように書かれています。 

『教育の成功のカギは、どれだけ学習者の抽象化能力を高められるかにかかっていると言ってもいい。抽象化とは「表面が違って見えるものの、中身に共通性を見出す」ことだ。』 

さらに、受験コーチの池田氏も、勉強で結果を出す最大のカギは「抽象化」であると、その著書の中で書かれています。 

『やったことのあることはできる。やったことのないことはできない。初見の問題に対して、めっぽう弱かったのです。しかし、試験というのは、当然ながら初見の問題をたくさん出てきます。』 

何が問題なのか。どうすればいいのか。 

『私の出した結論は、「今目の前にある問題が解けることが大事なのではなく、今目の前にある問題から、他の問題にも通用する原理原則を学ぶことが重要なのだ」ということでした。 

1つの具体的な問題を見るのではなく、そこから抽象的な原理原則に目を向ける。 

つまり、1つの具体的な問題を「抽象化」することができれば、ありとあらゆるどんな問題にも対応できる力が身につくということです』 

膨大な量の情報を集約化しなければならない資格試験の勉強においても、この知識の抽象化は、より早く合格するためにも、必要な能力かもしれません。 

これから行政書士試験の学習を始める皆さんは、本格的に始める前に、上記の本のいづれかを読んでみるのもいいかもしませんね。 

つまり、過去問や肢別本のひとつひとつの選択肢は、個別具体的な知識ですから、全く応用が効かないため、これらの知識を抽象化して、応用可能な汎用性のある知識へ変えていく必要があるということです。 

要するに、合格コーチのよく云う言葉でいえば、葉っぱの知識を沢山集めるのではなく、「アタマ」の中に「森」を創れ!ということです。  

森から木、木から枝、枝から葉へ  

この意味するところがわかってくると、合格するためには、「問題を○○回解かなければならない」という呪縛から逃れられるはずです。  

知識の「抽象化」を図っていけば、記憶すべき量も大幅に減ってくるため、知識の「精度」も高まり、より短期間で合格することも可能となります。 

≪リーダーズ式☆3ステップ学習法≫ 

①理解

②集約(知識の「抽象化」)

③記憶

 試験の難易度が高くなればなるほど、②集約と③記憶の「差」が、本試験での結果の「差」になって現れている現実も、よくわかるような気がします。  

膨大な量の知識を、本試験で使えるように汎用性のある知識へ集約(抽象化)すること、そして、その知識をきちんと記憶すること。 

これが、資格試験の勉強の『本質』部分ではないかと思います。 

最後に、過去問を何回も繰り返し解く勉強から脱却することで、見事に合格された合格者の体験記を紹介しておきます。 

≪行政書士試験合格者 加藤隆顕≫ 

山田先生の授業を受ける前は、過去問を網羅して理解することが、すなわち、出題範囲を網羅する事なのだと無根拠に信じていました。 

悲しいかな、一人で勉強していると、自分のやり方を疑う事は物凄く労力がいるので、そもそもそれを疑うこと自体拒否してしまいます。 

また、疑ったところでその他の手段が分かりません。疑問を抱えながらも過去問を繰り返し回すというやり方を盲信してしまっていたのです。 

過去問の繰り返しでは試験範囲を網羅できないという先生からの指摘に大きく頷き、これまでの勉強方法を改めようと決心できました。 

森から木、木から枝、枝から葉。

定義→分類→グルーピング。

具体と抽象の往復、

フロー図、ツリー図、相関図、表形式のまとめ。 

リーダーズ研究所が提供するそれらは頭の整理に適切です。受験の為に必要な知識整理に大変役立つことは勿論、アナウンスの通り、思考をそのまま仕事に活用する事が出来ました。 

本試験では、行政法満点、択一のみで180点を超え、無事合格できました。運頼みにしない、本質的な理解が山田先生の元にあったように思います。すばらしい知的冒険の1年間でした。 

≪行政書士試験合格者 藤本 誠≫ 

先生から習った勉強法は、得点源でもある民法と行政法を攻略することです。

習得に時間を要する民法をマスターするとその後の勉強展開が楽になり、行政法等に集中出来ます。

先生は最後には民法を17のパターンにまで集約してくれます。

本試験にはこの17のパターンだけ持参しました。 

また、「一番過去問を解く量が少ない時に合格する」と言う神話は本当です。

統計的に出る問題を集約化して体系的に理解するから多種大量の問題を解く必要がないのです。 

更に、あるテーマ間(無権代理と他人物売買等)、そして他の科目間(憲法と般教等)と関連付けられ、覚える量は極めて少なくて済みます。

これが「知識と知識のつながり」です。

合格体験記の詳細については、当HPの合格者の声をご覧下さい。