【勉強法】①「記銘」(覚える)→②「検索」(思い出す)→③「適用」(当てはめる)

8月も終盤に入り、答練や模試の季節となってきました。

今回は、答練や模試が本格化するのに伴い、どうして問題が解けないのかについて、もう一度、ふり返りを行っていこうと思います。

どうして問題が解けないのかが見えてくれば、どうすれば問題が解けるようになるのかも見えてくるのではないかと思います。

両者は、コインの表と裏の関係ですから。

まずは、皆さんが、本試験で問題を解く際のプロセスを、認知心理学の知見も参考にしながら「見える」化していきます。

認知心理学による「見える化」

通常、本試験では、まず、各大問のテーマごとに、問題文の「キーワード」を発見して、その問題を解くために必要な前提知識を「アタマ」の中から「検索」していきます。

次に、その「検索」した前提知識を、問題文の事例に「適用」(あてはめ)して、効果が発生するか否かの結論を出していきます。

図解すると、以下のようになります。

これを時間軸の「視点」からみると、前提知識の①「記銘」(覚える)→②「検索」(思い出す)→③「適用」(当てはめる)という順番になります。

したがって、問題が解けないという場合、この前提知識の①「記銘」(覚える)→②「検索」(思い出す)→③「適用」(当てはめる)のどこかで躓いていること(ボトルネックが存在すること)が、その要因として考えられます。

問題が解けない場合、この3段階プロセスのどこで躓いているのか、まずは、皆さんなりに、自己分析を行ってみてください!

(1) 「記銘」(覚える)

 

合格コーチも、今まで、再受験生の方を中心に、数多くの受験生を見てきましたが、やはり、問題が解けない大きな要因は、前提知識の「記銘」にあると思います。

つまり、問題を解くために必要な前提知識が「ない」か、あるいは、前提知識が「ある」けれども、その精度が低いため、問題が解けないということです。

まずは、前提知識が「ない」場合

皆さんもすでにご存知のように、

行政書士試験は、過去問のストックが少ないため、過去問の知識だけでは、合格点はおろか、記述式を除いて、240点中120点以上を取ることが難しいのが現実です。

したがって、インプット用のテキストも使って、本試験レベルの前提知識(条文・判例)を補っていく必要があります。

本試験では、法令科目においては、主に、条文と判例の知識が問われています。

平成29年度の本試験は、法令科目の約50%が、判例の知識を問う問題でしたから、やはり、判例の内容」に関する知識が「ない」と、問題は解けないはずです。

本試験では、過去問と全く同じ内容の問題は、ほとんど出題されないため、過去問が解ける=本試験の問題が解けるということには、必ずしもなりません。

過去問で問われたのと同じ条文と判例の知識を問う問題なのに、少し問われ方を変えられると、突然解けなくなるという現象です。

したがって、問題が解けなかったのは、過去問や肢別本を何回も繰り返し解いて、正答率を100%に出来なかったことが理由ではないことは、冷静に考えれば、誰にでもわかることです。

この点に気がつかないと、毎年毎年、不合格という、同じことの繰り返しになってしまう危険性がありますので、要注意です。

条文と判例の単純な知識を問う試験において、合格点が取れないのは、やはり、条文と判例の知識が「ない」ことが、最大の要因であり、過去問の知識だけでは、合格点を取ることができない行政書士試験では、なおさらです。

180点が取れない最大の要因=条文と判例の知識不足

特に、判例の知識を問う問題の比率が最も高い民法(択一式9問中8問)については、重要判例をきちんと、アタマの中に入れておきたいところです。

次に、前提知識が「ある」場合

もっとも、知識が「ある」場合でも、その知識の精度が低ければ、問題が解けないのではないかと思います。

知識の精度が「低い」というのは、 リーダーズ式☆3ステップ学習法(①理解→②集約→③記憶)でいうと、「理解」が不十分である場合と、「記憶」が不十分である場合を意味します。

その内容を「理解」したかどうかは、通常、その内容を話せるか、書けるかで判断することができますから、もし、その内容を話せない、書けないということは、やはり、「理解」が不十分であることを意味します。

例えば、平成29年度の行政法の記述式(問題44)は、超Aランク判例である、宝塚市パチンコ条例事件判決の「理解」を問う問題でした。

この判例は、2年前にも、択一式で、大問として出題されていたにもかかわらず、①行政権の主体、②法律上の争訟、③却下判決というキーワードがすべて書けていた方は、わずか、10%でした。

最近の本試験問題は、

判例のロジックをきちんと理解しているかどうかを問う問題が、択一式・記述式問わず出題されていますので、今年リベンジされる方は、判例の結論だけでなく、判例のロジックや理由付けをきちんと「理解」する学習をしてほしいと思います。

一方、二択症候群などは、「記憶」が不十分な場合の典型例ですので、やはり、本試験直前期に記憶の時間をきちんと取ったかが重要になってきます。

この前提知識は、最終的には記憶する必要がありますから、個々の葉っぱの知識ではなく、過去問「分析」によって、①グルーピング→②抽象化→③構造化された、いわゆる汎用性のある「使える知識」であることが望まれます。

したがって、問題を解くために必要な前提知識を「記銘」していく段階では、テキストや過去問の単なる知識を、どれだけ「抽象化」できるかを意識していく必要があります。

知識の「抽象化」=知識の「使える化」

「使える知識」は、図解化、あるいは、図表化していくと、記憶しやすく、結果として精度の高い正確な知識になっていきます。

結局、本試験では、 こういう出題の「ツボ」について、手を変え、品を変えて、何度も繰り返し聞いてきます。

したがって、これから問題が解けるようになるためには、まずは、このような出題の「ツボ」=「使える知識」を、どれだけ「アタマ」の中にストックすることができるかではないかと思います。

そのために求められるのが、過去問「分析」であって、過去問をただ何回も繰り返し解いても、使える知識にはなりません・・・

ただテキストを何回も繰り返し読んだり、ただ過去問や肢別本をただ何回も繰り返し解いても、なかなか合格点である180点が取れない理由は、このあたりにあるのではないでしょうか。

(2) 「検索」(思い出す)

 

実は、問題を解くために必要な前提知識は「アタマ」の中に入っているにもかかわらず、問題が解けない場合も、かなりあるはずです。

例えば、あとで解答を見て、

「ああ!あの話のことね!」というようにわかる場合などです。

毎年、本試験の終了後、カウセリングを行っていますが、そのカウンセリングの際に、受験生の皆さんに、本試験の問題冊子を持参してもらっています。

受験生の皆さんの問題冊子を見ると、その方がどのようなプロセスで問題を解いていったのかがよくわかります。

特に、その問題を解く際に気づかなければならない「キーワード」に、きちんとアンダーラインやマーキングが出来ているかを見るだけで、その方の成績がだいたい分かってしまいます。

実は、問題文の「キーワード」というのは、 その問題を解くために必要な前提知識を「アタマ」の中から「検索」する(思い出す)際のトリガー(きっかけ)になるものです。

その意味では、問題文の「キーワード」に気づくかどうかが、問題を解くうえでも、かなり重要な要因になってくると思います。

したがって、これから直前期の勉強の中心は、

問題文中のこの「キーワード」を見たら、この前提知識を「検索」していくという、自分なりの「検索」パターンを作っていくことだと思います。

いわゆる、キーワード反射です。

問題を解く時間が遅く、模試などでも時間が大幅に足りなくなる方は、この前提知識の「検索」が上手く出来ていないのが、ひとつの要因です。

さて、ここまでお話してきて、勘のいい方なら、本当の「アウトプット」というものがどういうものなのかが見えてきたのではないかと思います。

インプット=入力

アウトプット=出力

つまり、アウトプットというのは、インプットした知識を外に出すこと=「検索」(思い出す)することを意味します。

受験業界では、 通常は、問題を「解く」ことがアウトプットと云われていますが、問題を「解く」こと自体が重要なのではなく、その問題を解くのに必要な前提知識をスムーズに思い出すこと、すなわち、「検索」することができるかが重要なのです。

したがって、問題を沢山解かなくても、アウトプットの練習はいくらでも出来るはずです。

結局、これからやるべきことは、

本試験で、問題文の「キーワード」を見て、この根拠は、あの条文ね!あの判例ね!あるいは、あの図表・図解ね!というように、アタマの中から、その問題を解くための前提知識(条文・判例)を、きちんと検索できる状態にしておくことではないかと思います。

先日、司法書士試験科講師の松本先生との勉強法の対談を行いましたが、その最後にご紹介した本の中に、「検索訓練」という項目がありました。

「検索練習と呼ばれるこの方法は、記憶に関する最近の文献によく取り上げられ、時には他の学習法を50%ほども上回る効果を上げている。」

「ある有名な実験では、被験者グループが文章を4回読む。別のグループは1回しか読まないが、思い出す練習を3回行う。研究者が数日後に2つのグループを追跡調査したところ、思い出す練習をしたグループのほうがはるかによく文章を覚えていた。」

「つまり情報を繰り返し読んだ被験者より思い出す試みをした被験者のほうが、はるかに習得度が高かったのだ。」(アーリック・ボーサー著「Learn Better」p160)

記憶のプロセスにおいては、記銘(覚える)と検索(思い出す)は、車の両輪とも云えますから、単に「覚える」だけでなく、「思い出す」練習をしていくことが、知識を長期記憶化させていくためにも効果的なようです。

つまり、本当の意味のアウトプットとは、問題を解くことではなく、記銘(覚えた)した知識を、思い出す(検索する)こと、再現することであると云えます。

当ブログで連載中のつぶやき確認テストは

問題文の「キーワード」から、問題を解くために必要な前提知識(条文・判例)を「思い出す」ための検索トレーニング用のツールです。

「思い出す」練習=検索トレーニング

問題文の「キーワード」から、前提知識がパッと出てこなかったところは、すぐ答えを見てしまうのではなく、少し「思い出す」時間を取ってみるのがいいのかもしれませんね。

つぶやき確認テスト民法と行政法は、

過去問でよく問われている条文と判例の知識だけでなく、過去問未出題の条文と判例の知識で重要なところも、問題にしてあり、知識の漏れが少なくなるようになっていますので、記憶用ツールと連動させながら、上手く活用してみてください。

8月25日から開講する

リーダーズ式☆総整理&出題予想講座では、

セレクト過去問集(全100問)を使って、各テーマ毎に、問題文のキーワードから前提知識(条文・判例)を検索していく検索力トレーニングも行っていきますから、問題文のキーワードから、きちんと提知識(条文・判例)を検索することができるか、是非、講義中に確認してみてください。

≪検索力トレーニング≫

テーマ

 ↓

キーワード

  ↓

前提知識(条文・判例)

リーダーズ式☆総整理&出題予想講座

  ↓詳細は

https://bit.ly/2MlVufH

(3) 「適用」(当てはめる)

知識優位型の問題であれば、前提知識の①「記銘」と②「検索」がきちんと出来れば理論上は、解答を導けるはずです。

ところが、現場思考型の問題の場合、最後のステップである、③「適用」(当てはめる)が上手に出来ないため、解答を導くことができないケースが多々出てきます。

民法が苦手な方の多くは、やはり、③「適用」(当てはめる))が出来ていない場合が多いのではないかと思います。

この「適用」(当てはめる)は、大前提に小前提をあてはめて結論を導き出す、法的三段論法そのものですから、この法的三段論法が理解出来ていれば、それほど難しくはないのですが・・・

この「適用」(当てはめる)が上手に出来るようになるためには、やはり、ある程度の「トレーニング」が必要になってきます。

といっても、このあてはめにも、一定のパターンがありますので、あてはめのパターンを習得した方が近道です。

択一式☆解法ナビゲーション講座では、

肢別ドリルを使って、この「適用」(当てはめる)の「トレーニング」についても行っていますので、受講生の方は、「適用」(当てはめる)の参考にしてみてください!

択一式☆解法ナビゲーション講座

   ↓詳細は

https://bit.ly/2t7EVLM

以上のように、問題が解けるようになるためには、前提知識の①「記銘」(覚える)→②「検索」(思い出す)→③「適用」(当てはめる)という、3段階プロセスのどこで躓いているのかを自己分析した上で、修正していくことが重要です。

現在、対面・電話による個別相談会も実施しておりますので、こちらも是非、活用していただき、皆さん、一人一人の修正点を掴んでみてください!